この子はみなさまに、お母さんに、育てていただいた子です。
この子はみなさまに、お母さんに、育てていただいた子です。
ご披露宴の結び、ご両家の代表挨拶で、新郎のお母様は、そうおっしゃった後、ご家族の席にいらっしゃったおばあさまに向き直って、深々とお辞儀をなさいました。
そして、頭をあげると・・・
「私ごとで恐縮ですが、新郎●●の父親、私の夫は、今から●●年前に天に召されました。まだ社会には、女性進出が今ほど、図られていない時代でした。仕事でキャリアを積み重ねていくには、相当な困難のある時代でしたが、夫の母であるお母さんが、●●の保育園や学童の送り迎え、預かり、見守りと一手に引き受けてくれました。その応援があったからこそ、仕事を続け、キャリアを積み重ねることができました。●●は、お母さんに育てていただいた子だとこれまで思ってきました。このような機会でもないと、改まってお礼が伝えられないので、今日は、お母さんにこの場を借りて、お礼を伝えたいと思って参りました。その気持ちは少しも変わりません。お母さんありがとうございました。」
再度、おばあさまにお礼を伝えられたあと・・・
「そして、今日、こうしてお祝いをしていただきながら、結婚式の中で感じたことは、私が気づかない、知らないところで、●●はこんなにも、みなさまに可愛がってもらい、ある時は励ましてもらい、ある時は叱ってもいただき、こうしてみなさまにも、育てていただいた子なんだということです。私だけで育てた子では決してありません。そのことを●●、よく覚えておいてください。そして新婦の▲▲さん、お母さんが私にしてくださったように、私はあなたをこれから全力で応援します。時代が変わったとは言え、まだまだ女性がキャリアを積み重ねていくには大変な時代です。息子以上に、あなたを応援していきますから、足りないところは遠慮なく言ってくださいね。甘えてくださいね。」
会場はこのご挨拶に、一瞬静まり返り、大きな大きなあたたかい拍手で包まれました。
今も忘れられないスピーチの一つです。
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